Ansibleをインストールして、操作対象となるサーバーに対しての接続確認は「Ping」を使用します。
ただ、AnsibleのPingは通常のPingとは少し仕様が違っており、SSHログインが前提となる設計となっています。
以下ではAnsibleのPing通信ができるまでの設定についてまとめました。
前回、Ansibleインストールについては以下の記事を参考にしてください。
「Ansible」でリモートホストへの通信を正常に成功させるまでの手順
Ansibleの基本的なコマンドパターン(Adhocコマンド)は以下の通りとなります。
$ ansible [pattern] -m [module] -a "[module options]"
以下では、自分自身にPing通信をした例となります。
[root@ansible ~]# ansible localhost -m ping localhost | SUCCESS => { "changed": false, "ping": "pong" }
では、リモートホスト向けのPing通信ですが、上記の様に対象機器宛にpingを実行してもエラーとなります。
内容は以下となります。
Ansibleではリモートホストへのpingは「hosts」リストに無いと通信ができない
以下では、リモート対象となるホストへPingを実行した例となります。
[root@ansible ~]# ansible 172.17.0.2 -m ping [WARNING]: provided hosts list is empty, only localhost is available. Note that the implicit localhost does not match 'all' [WARNING]: Could not match supplied host pattern, ignoring: 172.17.0.2
Ansibleでは実行する内容によっては対象サーバーへ重大な影響を及ぼす可能性があるため、実行を許可するには「hostsリスト」へ対象ホストのホスト名、もしくはIPアドレスの登録が必要となります。
hostsリストは「/etc/ansible/hosts」で実行対象のホストを追加します。
[root@ansible /]# vim /etc/ansible/hosts ------以下を追記------ [test] 172.17.0.3 172.17.0.2
hostsに登録してもエラーが出る場合はSSH鍵設定をしていない
hostsリストに対象のホストを追加しても以下の様に別のエラーが発生し、Pingの実行は失敗します。
[root@ansible /]# ansible 172.17.0.2 -m ping The authenticity of host '172.17.0.2 (172.17.0.2)' can't be established. ECDSA key fingerprint is SHA256:Q6qArNJ1WwmOKjNeWKQoCbxBYglmoE1Lg/pzve3wv/s. ECDSA key fingerprint is MD5:8b:78:8c:f1:4e:e2:d6:5f:9f:46:66:b3:2b:71:6d:46. Are you sure you want to continue connecting (yes/no)? yes 172.17.0.2 | UNREACHABLE! => { "changed": false, "msg": "Failed to connect to the host via ssh: Warning: Permanently added '172.17.0.2' (ECDSA) to the list of known hosts.\r\nPermission denied (publickey,gssapi-keyex,gssapi-with-mic,password).", "unreachable": true }
Ansibleは実行対象となるサーバーを操作するために「hosts」の設定が必要となりますが、SSHによる「認証」の設定も必要となります。
以下では簡易的な動作確認として、「-k」オプションを実行した例となります。
[root@ansible ~]# ansible 172.17.0.3 -m ping -k SSH password: 172.17.0.3 | SUCCESS => { "ansible_facts": { "discovered_interpreter_python": "/usr/bin/python" }, "changed": false, "ping": "pong" }
「-k」オプションを使用することにより、操作対象のサーバーのSSHパスワードを入力し、実行する方法となります。
ただし、毎回パスワードを入力するのが面倒なので、秘密鍵の作成と登録をする認証を実施します。
公開鍵と秘密鍵の作成と登録で認証設定をし、Ping通信を成功させる
認証には公開鍵と秘密鍵の作成による方法があります。
毎回、対象ホストへのアクセスにパスワードを入力する手間を省くために、「ssh-keygen」と「ssh-copy-id」を用いて認証を実施します。
まずは、以下コマンドで、公開鍵と秘密鍵を作成します。
[root@ansible ~]# ssh-keygen Generating public/private rsa key pair. Enter file in which to save the key (/root/.ssh/id_rsa): Enter passphrase (empty for no passphrase): Enter same passphrase again: Your identification has been saved in /root/.ssh/id_rsa. Your public key has been saved in /root/.ssh/id_rsa.pub. The key fingerprint is: SHA256:bjxy5Wh5dUk6vKuj/4hWe5DAqY/T59EgIoP0i6bxW5Y root@ansible The key's randomart image is: +---[RSA 2048]----+ | | | | | . . . . | | . o + . o . | | . + ..S.o.= o | | . =.+ *++ + | |. o E .+X.+oo | | = o o=+++o.. | |. o. oo===o | +----[SHA256]-----+ [root@ansible ~]#
生成した公開鍵を操作対象サーバーへコピー
上記で、SSHする元(ansible側)で公開鍵を生成したので、それをSSH先のサーバーにコピーするので「ssh-copy-id」と言うコマンドを実行します。
以下は、「ssh-copy-id」コマンドを使用し、対象サーバーへコピーします。
[root@ansible /]# ssh-copy-id 172.17.0.2 /usr/bin/ssh-copy-id: INFO: Source of key(s) to be installed: "/root/.ssh/id_rsa.pub" /usr/bin/ssh-copy-id: INFO: attempting to log in with the new key(s), to filter out any that are already installed /usr/bin/ssh-copy-id: INFO: 1 key(s) remain to be installed -- if you are prompted now it is to install the new keys root@172.17.0.2's password: Number of key(s) added: 1 Now try logging into the machine, with: "ssh '172.17.0.2'" and check to make sure that only the key(s) you wanted were added. [root@ansible /]#
公開鍵コピー後に再度Pingを実行
上記で、対象サーバーへの公開鍵をコピーしたら再度Ping通信を実行します。
以下の様に問題なく「SUCCESS」が表示されれば成功です。
[root@ansible /]# ansible 172.17.0.2 -m ping 172.17.0.2 | SUCCESS => { "ansible_facts": { "discovered_interpreter_python": "/usr/bin/python" }, "changed": false, "ping": "pong" }
ホストグループ単位でPingを実施
次にAnsibleのhostsに追加したホストをグループ単位でPing疎通する方法を紹介します。
Ansibleの「hosts」ファイルを開き、以下の様に[dns]と言うグループ配下に2台のホストを追記します。
[root@ansible /]# vim /etc/ansible/hosts ------追加------ [dns] 172.17.0.3 172.17.0.2
hostsにホストを登録後、以下の様にグループ名[dns]でPingを実行します。
グループに登録されているホスト全てにPingが実行されます。
[root@ansible /]# ansible dns -m ping 172.17.0.3 | SUCCESS => { "ansible_facts": { "discovered_interpreter_python": "/usr/bin/python" }, "changed": false, "ping": "pong" } 172.17.0.2 | SUCCESS => { "ansible_facts": { "discovered_interpreter_python": "/usr/bin/python" }, "changed": false, "ping": "pong" }
以上、が「Ansible」のPing疎通設定手順となります。
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