Linux系OSのスタティックルートの設定の応用として、送信元IPを指定、メトリック値の設定方法をまとめました。
「スタティックルート(Static)応用」送信元IP指定とメトリック値
前回、Linux系OSのスタティックルートの設定を書きました。
今回は、スタティックルートにおける応用編をまとめます。
以下では、送信元IPアドレスの指定、Metricを付与した設定となります。
送信元IPアドレス指定
送信元IPアドレスの指定では複数のインターフェースがある場合、該当のインターフェースを送信元とした設定をするときに利用します。
以下ではインターフェース「ens192」に設定したIPアドレス(192.168.1.10)をもとにスタティックルートを設定します。
$ ip addr show 2: ens192: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc mq state UP group default qlen 1000 link/ether 00:50:56:81:da:68 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff inet 192.168.1.10/24 brd 192.168.1.255 scope global noprefixroute ens192 valid_lft forever preferred_lft forever inet6 fe80::ada9:3065:359d:f57a/64 scope link noprefixroute valid_lft forever preferred_lft forever
上記をもとにソース元IPアドレス(192.168.1.10)を指定してスタティックルートを設定した例となります。
$ ip route add 10.0.0.0/24 via 192.168.1.1 src 192.168.1.10
ルーティングテーブルに設定したルートが反映されていることが確認できます。
$ ip route 10.0.0.0/24 via 192.168.1.1 dev ens192 src 192.168.1.10
メトリック(metric)値付与
メトリック値は同じ宛先ルートが複数ある場合、メトリック値が小さい経路を最適なルートとする方法となります。
同じ宛先で、ネクストホップが異なるルートが2つある場合、メトリック値の小さなルートが優先ルートとなります。
以下ではメトリック値を100として設定した例となります。
$ ip route add 10.0.0.0/24 via 192.168.1.1 src 192.168.1.10 metric 100
ルーティングテーブルにメトリック値が付与されたルートが表示されていることが確認できます。
$ ip route 10.0.0.0/24 via 192.168.1.1 dev ens192 src 192.168.1.10 metric 100
ルート削除
ルートを削除する場合は以下のコマンドで削除可能です。
$ ip route delete 10.0.0.0/24
スタティックルートを永続的に設定する
スタティックルートはOS再起動後などは消えてしまいます。
永続的にルートを残しておきたい場合は以下のように設定します。
$ vi /etc/sysconfig/network-scripts/route-ens192 10.0.0.0/24 via 192.168.1.1 src 192.168.1.10 metric 100
これは、上記フォルダに該当のファイルを作成してルートを記載する例となります。
設定後は、ネットワークの再起動が必要となります。
※今はあまり使わないようになっています。
「nmcli」コマンドを使用し永続的に設定する
CentOS7もしくは8では「nmcli」コマンドを実施し、スタティックルートを永続的に設定する方法が主流になってきています。
「nmcli」を使用したスタティックルートの設定方法は以下となります。
$ nmcli connection modify ens192 +ipv4.routes "10.0.0.0/24 192.168.1.1" ipv4.route-metric 100
設定が完了したら、こちらもnmcliコマンドでネットワークを再起動します。
$ nmcli connection down ens192; nmcli connection up ens192 接続 'ens192' が正常に非アクティブ化されました (D-Bus アクティブパス: /org/freedesktop/NetworkManager/ActiveConnection/4) 接続が正常にアクティベートされました (D-Bus アクティブパス: /org/freedesktop/NetworkManager/ActiveConnection/5)
以下、確認コマンドでルートが追加されていることが確認できます。
$ nmcli device show ens192 GENERAL.DEVICE: ens192 ~ IP4.ROUTE[5]: dst = 10.0.0.0/24, nh = 192.168.1.1, mt = 100
LinuxOSにおけるスタティックルート応用(送信元IPアドレス指定・メトリック値指定)は以上となります。
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